ふらんす堂通信 179号
ふらんす堂通信 179号(2024年1月発行)
ばんかおり
◆横浜句会 11月ネット句会 岸本尚毅選
秀作 にんじんの鬆のふたすぢに走りけり
◆横浜句会 12月ネット句会 岸本尚毅選
秀作 アイロンの蒸気は甘し落葉どき
◆うづら集 兼題「雨」 西村麒麟選
極月の眼鏡は雨をよけられず
蛇口だけ残つてゐたる枯野かな
七色にひかる首輪やクリスマス
薄き紙巻かれし古書の冷たかり
✴︎
俳句を始めたばかりの頃、先生に採られなかった自句をぽいぽい捨てていた。
いまではさすがに、そんな極端なことはしない。
数はさほど多くはないけれど、句会でだれにも採られなくても、自分なりの「未練」みたいな気持ちを残した句が増えてきている。自句を大切にするようになった、または愛するようになっているのかもしれない。
179号の「うづら集」には、そんな思いいれのある句を推敲して投句したので、夢でもあった四句選に入ることができてうれしかった(この欄に四句載るのは難しいことなんですよ……)。
コメント
コメントを投稿