4月19日(金): 封筒のおもて伏せ置く暮春かな

 出勤前に、尹雄大『句点。に気をつけろ』(光文社)を読みおえる。最後の一頁まで、読みたいことがみっしりと書かれていたなぁと思う。

 本書を読みはじめる前に、いまの自分より「より良くなろう」 とすることに、うっと息苦しくなるような感覚があり(ある女性向けビジネス誌の別冊を一気読みしたからかもしれない……。むせかえるような情報量とレイアウトに圧倒された)、ちょうどいいタイミングだった。

 そりゃ今より良くはなりたいし、そうなれたらいいと思うのだけど、「より良くならなければいけない」という気持ちにすり替わりがちで、それはやはり苦しい。尹雄大さんの本は、はじめて読んだ。ほかの著作にも気になるものがあって、つづけて読んでみたくなる。


 勤務中に、夫より「通過!」とLINE。そこには某お茶俳句賞の、二次審査通過のお知らせと書かれた封筒の画像があり、「あ……!」と思わず声がでてしまう。

 わたしはこの賞に子どもと一緒に応募していた。通ったのはわたしの一句のみ。俳句に興味を持ちだした子どもが、コンクールに挑戦してみたいというので、それならばとふたりで送ってみたのだ。通過はうれしいのに、自分にとって大本命は子の作った句だったので複雑な気持ち。

 子にはまだ、このことは特に言わないでおこうと夫と話す。帰宅して、自室の机に置いてあった薄緑色の封筒を、裏向けに置いた。それから、家事をしたりご飯を食べているあいだ、自分に起こったうれしいこととして、うっかり話しそうになってしまうのを何度も飲みこんだ。 

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